ボッシュスマートシステム搭載 Rail 9.7 パワフルさそのままにアシスト挙動の不自然さがなくなり扱いやすさが格段に向上

Trek Rail 9.7 2023年モデル トレイルでの写真

前回のブログ「最新パーツでオール電化プラスαカスタムをBoschSmartSystem(ボッシュスマートシステム)搭載新型Rail9.7に施してみた」で、Bosch Smart system についての私(西村)の感想を下記のように綴りました。

“ 2023年モデルのRailは、話題の Bosch Smart System を搭載し前作より確実に不自然さ(唐突なモーター駆動感)が排除され、より自然なペダリングフィール(ノン電動アシストバイクのペダリングフィール)に近づいていてかなり完成度の高いモデルとなっています。

先代のRailで走ったことのあるルートを最新Railで同じようにトレースしてみてそう感じました。ほぼずっとターボモードでのライドだったにも関わらず電動アシスト感が限りなくゼロに近くてびっくりしました。音が劇的に静かになったこともあわさり、eバイクであることを忘れそうになるくらい自然です。

バッテリー容量も500Whだった初代My Railと比較すると1.5倍の750Whに大容量化され出掛けた先でのバッテリー切れの心配が減り、長い距離のライドも安心して楽しめるようにもなっています。体重が重〜い私でも。

それから少し日にちが経過し乗って感じていたことが少しずつ言語化できてきたので、新型の Smart System 搭載 Rail 9.7 の良さについて、前モデルとの違いに焦点を絞り少し掘り下げてご紹介させていただきます。

第4世代 Rail 9.7 Bosch Performance Line CX Smart System での実走後の感想

今回のライドは、旧モデルの Performance Line CX 搭載 Rail 5(真ん中・所沢店さやか店長) と Smart system 対応の最新 Performance Line CX 搭載 Powerfly FS 4(左・戸田彩湖店ひらく店長) が同じコースを一緒に走りました。

🔗 Rail(レイル)とPowerfly(パワーフライ)についてはこちら
https://bike-plus.com/collections/e-mtb


およそ50kmの距離で獲得標高1200m以上、上りのほとんどは舗装路でたまにトレイルやグラベルがあり、下りはほぼグラベルというコースでのインプレッションです。

愛用していた旧型のRail 9.7で走ったことがあるコースですし、比較インプレとしては実に有意義でした。

1)新モード「Tour+」の印象

いわゆるサイクリングというかポタリングというか。そういうニュアンスのライド志向やコースがしっくりくる

踏んでいる力が弱いとEcoモード程度のアシストパワーに、強いとTurboモードと同じアシストパワーになるのがこのTour+モード。勾配のないエリアでは脚力にやや比重を置きながらバッテリーの消費を節約する走りができ、登り坂にさしかかったら強力にアシストしてくれ、登坂で脚力を使いすぎることなく速度を維持...という走り方ができます。

踏んでいる力に対してのアシスト力の変化具合は全く唐突なものではなく、緩やかでいたって自然。eMTBモードほど急激なアシスト力の変化がないのがこのモードの素晴らしい点と感じました。緩やかなアップダウンを繰り返すコースに最適化されている印象です。

2)新モード「Auto」の印象

まめにギアチェンジすることに慣れていない人やまめなシフトチェンジが億劫な人にピッタリ。街中のリラックスクルージングはこれで決まり!

「向かい風や上り坂で車速が落ちたとき、車速を補おうと強くペダルを踏まなくても、自動でアシスト力が増えて車速を回復・維持する」というモードです。Autoモードのアシスト力はTourからTurboモードの間で、「自転車のギアチェンジを頻繁に行なわなくても快適に巡航できるモード」というイメージです。

Smart System 対応の新型 Powerfly FS で毎日片道十数キロの通勤を走っている戸田店宮崎(ひらく)店長は「ほぼAutoモードで走っている。そこそこアップダウンのあるコースだけどいちいち変速しなくていいから超らく。」と言っていました。

なるほどとは思いましたが、Sram Eagle AXS T-Type という超お高い変速システムをつけている上にまめなシフトチェンジが癖になるなっている私は、こんなモードに馴染みたくないという意味も含めて馴染めないモードです。便利すぎというかズルすぎというか(笑

12段もギア段があるんわけですから、なるべく満遍なく様々な段を消耗させた方が経済的でもありますし、スポーツ自転車はやはりマメにシフトチェンジを行いたいものです。

2023 Powerfly FS 4 Gen 3 オーナーのひらく店長はおそらく今回も「Auto」メインで走っていると思いますので、そちらのインプレブログを楽しみに待ちましょう。

3)改良版「Turbo」の印象

消えたじゃじゃ馬

以前の Performance Line CX のターボモードは、踏み込み始めや急に踏み込んだ時に、ウィンと急激にハイパワーでアシストが強くなり、体が置いていかれることがよくありました、じゃじゃ馬感と言いますか。そのじゃじゃ馬感をうまく身体でいなしながら、いかにターボモードやeMTBモードを乗りこなすかが 旧型 Rail 9.7 のライドの面白味の一つでもありました。が、新型ではそのじゃじゃ馬感がまるでなくなりまして。

新車を組み終えて初めて乗って帰った日は、漕ぎ出しのパンチがなかったのでモード選択を間違えているのでは?と不安に思うほどでした。思わずコントローラーのLEDの色を二度見してしまいましたが、自然にそしてスマートにターボが立ち上がり後傾になることなく速やかに加速でき驚きました。信号待ちからの漕ぎ出しで身体が置いていかれないんです、まったく。

じゃじゃ馬ではなくなり寂しく感じることもありましたが、毎日のように乗っていると、不自然さが取り除かれたターボモードの素晴らしさが沁みてくるようになりました。

アシストされている感がないのにギュイーンと自然に加速するんです。しかも以前のような気合を入れたモーターの音もなく。ノンアシストバイクのような自然さで、です。

Tour+ や Auto という非常に便利なモードが追加されたことも人気の理由の大きな割合を占めていますが、私にとってはターボの進化だけで2023年モデルRail 9.7は買いです。非常に満足しています。

初代 Rail 9.7 のじゃじゃ馬アシストに翻弄されている様子をもっと詳しくお知りになりたい方はよろしければこちら↓のブログもご覧ください。

🔗 幾度となく通ったDH系トレイルの登坂にEマウンテンバイクで初挑戦!
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当時のバイクと比較するとかなり扱いやすい自転車に進化しています。

4)モーター音がうるさくなくなった

新型 Rail 9.7 に搭載された Smart System 対応の Performance Line CXはとにかく静か、これは感動ものの静けさ。

旧型の Performance Line CX を搭載した Rail 5 の所沢店宮崎(さやか)店長も今回も一緒に走ったわけですが、旧型のモーター音がうるさいのなんのって。

並走していると隣の 旧型 Rail 5 のモーター音だけが聞こえてくる、後ろについて走っていても前の 旧型 Rail 5 のモーター音だけが聞こえてくる(笑

ちょっと前まではあの頑張ってくれてるモーターの悲鳴が、アシストしてもらえている実感につながっていて大好きだったハズなのに、この静かな新型の虜になってしまいました。

しっとりと静寂に包まれた深い森の中で、モーターの機械音は異物でしかありません。静かなモーター万歳です。静かなモーターは正義です。アシストのかかりが改善されたのに加え、モーター音という自転車としては不自然なモノが排除され、ノンアシストバイクのペダリングフィールに近付いていて至って自然。好印象です。

ラチェット音が全くしない ONYX RACING のスプラグクラッチハブをまた注文しているんですが、あのハブで組んだ車輪なら、フリーのラチェット音もなくなるのでホント最高です。釣りやバードウォッチングに使えてしまうほど静かなアシストバイクになるかも知れません。

5)手元コントローラーの劇的な進化

ボッシュスマートシステムの操作しやすいコントローラー

以前のモデルはなんで最初からこうやって作れなかったのか不思議に思うくらいどうしようもないコントローラーだった(苦笑

初代から考えると劇的な進化を遂げているコントローラーの操作性。モード切り替えの際やライト点灯の際のコントローラーが悪路走行中でも格段に操作しやすくなりました。

モード切り替えスイッチ部分がハンドルから少し浮いた位置に配されたことで、ブレーキレバーやシドロッパー操作レバーなどのクランプ部分を乗り越えてグリップに近づけることが可能になりました。おそらく誰もがもっとこうなったらいいのにな...と思っていた部分だと思いますが、ようやくいい感じになりました。

グリップを握っている手を大きくずらすことなく、親指を動かすだけで操作ができるし、「+」を押しているのか「−」を押しているのか、指先だけでわかるようになり目視する必要がなくなりました。また、押せた感覚も直感的にわかりやすくなった印象も持ちました。

グリップから手を離さずに、路面から目を離さずに、操作できるのはバイクコントロール上大きなメリットです。

6)夢のようなバッテリー容量

買い替えた最大の理由が750Whになったこと

 

私の初代Railは500Whで、先代が625Wh、そして今回の新型Railはなんと750Whにもなりまして。買い替えた最大の理由はここです。Rail のバッテリーとモーターより、私自身の体力と関節の方が耐久性に欠けるので私には無理ですが、ECOモードなら200kmのサイクリングも夢じゃない。

実は前回旧Rail(625Wh)で同じコースを走った時は、頂上付近で私はすでにバッテリー残量8%と表示されており、宮崎(さやか)店長と途中でバッテリーを差し替えた...なんてことがありまして。確か40%は残っていたと記憶しています。

富士見パノラマ周辺の林道(ブログ)を走った時も、ゴールした時点でバッテリー残量は9%。あと数回ペダリングしたら切れてしまうのではないかとヒヤヒヤしながら毎回走っているのであります...。ちなみに今年行った万沢林道(ブログ)の時はバッテリーがなくなるのが恐怖でしかないためインチューブバッテリーを頑張ってもう一本持っていっています(笑 

こんかい750Whに大幅に容量アップしたバッテリーのおかげで、40%以上を残して走り終えることができました。我々が出かけるようなコースであれば、私もなんとかバッテリー1本で走り切ることができそうです。体の重さに心当たりのある方は、750Whバッテリー搭載の Rail 9.7 が断然おすすめです。

まとめ

2023年モデル Trek Rail 9.7 Gen 4 は、Smart System 搭載になったことにより、アシストモードから唐突さや違和感がなくなり、モーターの駆動音もとても静かになり、電動アシスト感がいい意味で劇的に薄れた電動アシストマウンテンバイクに仕上がっています。驚きを隠せません。

ノンアシスト車と同じような感覚でペダリングできる自然なアシスト感は、木の根、岩、轍、ぬかるみなど、荒れ放題の急峻でテクニカルな登坂でも、頭の中のペダリングのイメージと実際のバイクの挙動に違和感やズレが生じにくいので上手に上ることができそうな印象を持ちました。F160mm/R150mmトラベルのエンデューロフルサスペンションマウンテンバイクの電動アシスト版として正しい方向に進化をしています。

またバッテリー容量も増えたことで、Rail 9.7 という重量級のロングストロークフルサスペンションマウンテンバイクでも、(体重に関係なく)一日中登りまくり下りまくることが可能になりました。間違いなく買いです。

2023年モデル Trek Rail 9.7 など、Smart System 対応 Performance Line CX を搭載した eMTB にご興味のある方はバイクプラス所沢店または戸田彩湖店までお気軽にご相談ください。試乗も大歓迎です!

ちなみに実は「オール電化カスタムRail」だけでなく、Boschさんの Smart System 日本国内お披露目用のデモバイクは、所沢店相田がこだわりのパーツ選びから組み立てまで極秘裏?に行ったアッセンブル&チューンドばいバイクプラスのeバイクだったりします(ブログ)ので、MTBカスタムなんかについてもお気軽にお声がけください。

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