SRAMからグラベル向け”XPLR”(エクスプロア)登場!
今回発表されました”XPLR”(エクスプロア)はSRAMのコンポーネントだけでなく、同じスラム系列の会社であるROCK SHOX(ロックショックス)のグラベルバイク用フォークやドロッパーポスト、ZIPP(ジップ)からはホイールにタイヤ、ハンドルバーといったパーツもありますので、順番にご紹介していきます!
SRAM XPLRシリーズ
グラベルのオフロードはMTBともロードとも違う速度域となっており、MTBの歯数では軽すぎて高速域がカバーできず、ロードの歯数ではグラベルで時々登場する急勾配に対して重すぎるといった立ち位置があり、シマノはGRX(ジーアールエックス)、カンパニョーロはEKAR(エカル)と、各社がグラベル用をラインナップに加えており、SRAMもようやく出してきました!
SRAMの中の方に語っていただいた、SRAMの魅力は下記のリンクから!
グレードは3つで構成
XPLRシリーズはロードのコンポーネントと同じシリーズであるRED(レッド)XPLR 、FORECE(フォース)XPLR 、RIVAL(ライバル)XPLR の3種類で構成され、eTapのみの展開。新たに追加されるXPLRはリアディレイラー、スプロケットの構成で、クランク&チェーンリングにはマイナーチェンジが入り、レバーやブレーキ、チェーンに関してはロードコンポーネントと共用です。



SRAM eTap関連記事は下記からご覧いただけます!
ワイド化されたスプロケット
XPLRのスプロケット歯数はは10-44T。ロードとMTBのスプロケットの間にあたる歯数構成とされており、低速向けのギアが追加された形となっています。トップ4枚はSRAMの持ち味である素材から削り出した一体成形で製造されており、残りの8枚をピンで固定するミニクラスター構造で作られています。
グレードは2種類でFORCEに相当するXG-1271、RIVALグレードに相当するXG-1251となっており、ギアの材質がXG-1271がアルミ、XG-1251がスチールで、チェーンはロード用のフラットトップを使用。
対応フリーボディはXDRとなっているので、他のコンポメーカーやSRAM11速のモデルから乗せ換えを行う際は、ホイールのフリーボディも交換が必要となりますので要注意!




XPLR XG-1271 | XPLR XG-1251 | |
変速段数、歯数 | 12速、10-44T | 12速、10-44T |
歯数構成 | 10-11-13-15-17-19-21-24-28-32-38-44 | 10-11-13-15-17-19-21-24-28-32-38-44 |
重量 | 373g | 412g |
材質 | アルミ | スチール |
税込価格 | ¥28,090 | ¥20,180 |
ワイドギアに対応するリアディレイラー
先程ご紹介したXPLR用のスプロケットに対応するリアディレイラーも発表され、カセットの大径化に合わせて取り付け部分のアームをロング化することで、最大44Tのスプロケットに対応します。
ロード用のREDはプーリーケージがカーボンだったものをアルミへと変更し、グラベルでの使用に配慮。FORCEとRIVALはロード用と変わらずアルミを使用。プーリーはREDだけがセラミックベアリングを採用し、FORCEとRIVALはスチールとなっています。




RED XPLR eTap AXS | FORCE XPLR eTap AXS | RIVAL XPLR eTap AXS | |
最大歯数 | 44T | 44T | 44T |
プーリーベアリング | セラミック | スチール | スチール |
重量 | 293g | 308g | 327g |
税込価格 | ¥104,500 | ¥52,000 | ¥38,000 |
クランク、チェーンリングもマイナーチェンジ
XPLRシリーズには分類されませんが、フロントシングルタイプのチェーンリングも同じタイミングでマイナーチェンジ。クランクへの取付がスパイダーアームを介したものからダイレクトマウント方式に変更され、約30g軽量化を達成しました。グレードは2種類で、REDとFORCEは同じものを使用し、RIVALのみ別グレードを使用します。
クランクにはグラベル系のバイクでもより太いタイヤを装着できるよう、チェーンラインを拡張したワイドタイプが追加され、FORCEとRIVALのみでREDのワイドタイプ展開はありません。



RED 1 クランク | FOCCE 1 クランク | FORCE 1 ワイドクランク | RIVAL 1 ワイドクランク | |
BB | DUB | DUB | DUBワイド | DUBワイド |
チェーンリング歯数 | 38,40,42,44,46 | 38,40,42,44,46 | 38,40,42,44,46 | 38,40,42,44,46 |
クランク長 | 165,167.5,170,172.5,175,177.5 | 165,167.5,170,172.5,175,177.5 | 165,167.5,170,172.5,175,177.5 | 165,167.5,170,172.5,175 |
チェーンライン | 45.0㎜ | 45.0㎜ | 47.5㎜ | 47.5㎜ |
重量 | 462g | 598g | 604g | 706g |
税込価格 | ¥95,300 | ¥36,600 | ¥36,600 | ¥17,600 |
フロントシングルについての記事はコチラから!
ROCK SHOXから!サスペンション&ドロッパーシートポスト
ROCK SHOX(ロックショックス)からグラベルロード向けのサスペンションRUDY ULTIMATE XPLR(ルディ アルティメイト エクスプロア )とドロッパーシートポストのREVERB AXS XPLR(リバーブ アクセス エクスプロア)が発表されました!マウンテンにお乗りの方にはお馴染みのブランドが手掛けた2つのパーツをご紹介していきます。
RUDY ULTIMATE XPLR
グラベル向けのサスペンションではありますが、ROCK SHOXが手掛けただけあって作りは本格的です。XCモデル最上位であるSID(シド)と同じCharger Race Day(チャージャーレスデイ)ダンパーを採用することで軽量さを確保。アッパーチューブも30㎜アルミ製でリジットに迫る軽量化を実現しています。
トラベル量は30㎜と40㎜から選択が可能となっており、フォーククラウンは陽極酸化処理(アルマイト加工)され、耐食性と耐摩耗性を向上。グラベルに合わせてロックアウトの強化、リバウンドもフルレンジでの調整が可能となっています。
スプリングはエアーで定番のSoloAir、最大で700×50のタイヤクリアランスを確保しているので、標準装備が多い40C辺りから更なるワイド化も可能です。装着可能ディスクローターサイズは最小160㎜、最大180㎜となっており、E-bikeにも対応しています。









RUDY ULTIMATE(ルディ アルティメイト) | |
ホイールサイズ | 700c |
トラベル | 30㎜ 、40㎜ |
スプリング | Solo Air |
最小、最大ローターサイズ | 160㎜、180㎜ |
アクスル規格 | 12㎜x100㎜ |
最大タイヤクリアランス | 50 |
カラー | Kwiqsand 、Gloss Black |
税込価格 | ¥126,500 |
MTB向けですが、サスペンションのセッティングについての解説です!
REVERB AXS XPLR
こちらは既にMTB用で発売されている無線式のREVERB AXSのシートポスト径をグラベルバイクに多い27.2mmへ変更しただけでなく、約100gの軽量化とグラベルに合わせて様々なチューニングが行われており、その機能がまた秀逸です。
グラベルでは上下に小刻みな振動や荒れた箇所で大きく振動が加わることもありますが、それに対して新たにActive Ride(アクティブライド)と呼ばれる、ポスト内部にエアダンピングを装備。サスペンションの様に上下に稼働することで振動吸収に一役買っています。ドロッパーを最も上まで伸ばした時には固定されることで効率的にペダルを回すことができ、縮ませた状態では上下に稼働する仕組みとなっています。
操作は別売のAXSハンドルバーシフター、もしくはREDかFORCEであればシフターへのスイッチ割り当て、ブリップスを追加してAXSアプリで設定することで操作が可能となり、REVERB自体もアプリでのバッテリー残量やスイッチの割り当て変更等が可能です。
トラベルは50㎜と75㎜があり、シートポスト長は350㎜(こちらは50㎜トラベルのみ)と400㎜をラインナップ。サドルレールは7×9の真円と楕円、7×10の楕円に適合し、バッテリーはeTapAXSディレイラーと共用できます。





使用感はMTB用REVERB AXSの記事を参考にどうぞ!
ZIPPからはホイール、タイヤ、ハンドルバーがラインナップ!
ホイールやハンドルに定評のあるZIPPからは初のグラベル用カーボンホイールである101 XPLRホイールセット、G40 XPLRタイヤ、先行して発売されているService Course(サービスコース)SL-70 XPLRハンドルバーの3種類後ご紹介します!
101 XPLRホイールセット
ZIPPとして初となるグラベル用の新作ホイール101 XPLRは、MTB用として販売されている3ZERO MOTOシリーズのMOTOテクノロジーを使用したシングルウォールリムで、意図的に左右へリムを大きくねじれさせることで路面追従性と振動減衰にも一役買っています。
装備されるZR1ハブは、同社のロード向けホイールである303Fire Crest(ファイアクレスト)にも使用されているもの。元から備える高いシール性から来る耐久性、防水防塵性能、オフロードで大事なかかりを補完する66ノッチを持つ、グラベルにうってつけなハブが装備されています。
ホイールサイズは2種類用意され、700cと650Bの選択が可能です。リムハイトは15㎜、外径36㎜、グラベルタイヤの幅を活かしきれる内径27㎜というワイドな内径の装着可能タイヤ幅は30~60㎜ですが、40~55㎜が最もおいしく性能を発揮できる推奨で、フックレスリムでチューブレスタイヤのみ装着可能となっています。
101 XPLR | |
ホイールサイズ | 650B、700c |
リム構造 | カーボン、シングルウォール、フックレス、アシンメトリー |
リムハイト | 15㎜ |
リム内径 | 27㎜ |
ディスク規格 | センターロックディスク |
フリーボディ | SRAM XDR、SRAM/Shimanoロード |
装着可能タイヤ幅 | 30~60㎜、推奨は40~55㎜(チューブレスタイヤのみ装着可) |
ハブ | ZR1 66ノッチ |
重量 | 1665g(700c)、1590g(650B) |



ハブのノッチ数が多いと何がいいの?下の記事で解説!
G40 XPLR
グラベル用このタイヤは、センターはグラベルだけでなく、オンロードでも速度をできるだけ損なわないような、ノブが少し平らなパターンを採用。サイドのトレッドにはXCのノブを追加することで、グラベルでの踏ん張りが効き、優れたコントロールを提供してくれるタイヤです。
耐パンク性能にも配慮しており、全体を覆うようにパンク防止ストリップが配置されており、グラベルで想定される石刺さりや鋭利な木や、サイドカットからパンクを防いでくれます。
700×40、127TPI、480gのフックレス互換で、指定空気圧は30~65psi、チューブレスレディなのでクリンチャーとしても使用可能ですが、グラベルで使用される場合には転がり、グリップ、乗り心地、パンク耐性の向上が見込めるチューブレスがオススメです。



G40 XPLR | |
タイヤ径、幅 | 700c、40㎜ |
TPI値 | 127TPI |
タイヤタイプ | チューブレスレディ(クリンチャー運用可)、フックレス互換 |
重量 | 480g |
指定空気圧 | 30~65psi |
税込価格 | ¥9,740 |
チューブレスのメリット、施工方法&キット類はコチラから!
Service Course SL 70 XPLR
先行で発売されているグラベルやオールロード向けである7050アルミを使用したこのハンドルは、フレア角がやや浅めの5°に作ってあることで、レバーを握った時に一般的なロードバイクに近いポジションとなるよう設計されています。
フレア角が深すぎるとレバーが横倒しになりポジションが取りづらくなるため、フレア角を浅めに設定しつつも11°のアウトスイープによって6㎝ワイドとなり、グラベルでのバランスがとりやすいポジションも両立しています。
クランプ径は31.8㎜、ハンドル中心部の100㎜がパーツ類を装着できるエリアとなっており、コンピューターマウントやDHバー、バッグ類等の必要な装備品を装着できます。



Service Course SL 70 XPLR | |
素材 | 7050アルミ |
クランプ径 | 31.8㎜ |
ハンドル幅 | (上部)400㎜、420㎜、440㎜、460㎜ ※ドロップ先端部はそれぞれ+6㎝ |
フレア角、アウトスイープ、バックスイープ | 5°、11°、3° |
リーチ | 70㎜ |
ドロップ | 115㎜ |
税込価格 | ¥15,380 |
グラベル向けハンドルの紹介&メリット解説もあります!
グラベルは可能性いっぱい!
今回はグラベル系のパーツをご紹介しましたが、グラベルバイク自体にもには遊び方が沢山あります。本来の用途で舗装されていない道を走って楽しむのはもちろんですが、ダボ穴が備わっているバイクであれば荷物を沢山積載してのキャンプや何泊かするツーリングもできます。
オンロードのみ走る時はロード向けのタイヤを履かせればロード並みの走行性能を得ることもできますし、ユーザー様の使い方によって、装備パーツをあれこれ交換することで様々な用途に対応することも可能なので、カスタムも楽しい車種です!
また、汚れる使い方をしやすいので洗車や注油、消耗品交換、定期点検等のメンテナンスも重要となってきます。
一例としてグラベルバイクのカスタム、洗車、遊び方の記事をまとめましたので、ご覧いただければと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。