チューブレスレディタイヤをシーラントでチューブレス化して使うのはメリットばかり。是非ともおすすめしたいカスタマイズなんですが、あえてひとつ不満点をあげるとするとタイヤを嵌め外しする時の難さが真っ先にあがります。
ということで今回は、シーラントを使って既にチューブレス化してある自転車で、運悪くサイクリング中にシーラントでは塞ぐことが出来ない大きなパンクに見舞われてしまった時にとっても重宝する最新便利グッズとその凄さをご紹介します。なんでも特許出願中なのだとか。
実際にプラスドライバーをタイヤにぶっ刺してパンクさせた上でコレを使って塞いでみたんんですが、これ、リアルに買いです。
シーラント液では塞ぐことが出来ないパンクに見舞われた…その時あなたならどうしますか?
きっと多くの方がチューブを入れて事なきを得ると思うのですが、実際にトレイルライドやグラベルライド中に、シーラント液でビタビタになっているタイヤを外す気になりますか?
ただでさえシーラントが効かないパンクでテンションガタ落ちなのに、密閉性を高めるためタイトに作られていて外し難いチューブレスレディタイヤの着脱には、ちょっとしたコツとそこそこのパワー、それに根気が求められたりします。
なんとかチューブを入れることができたとしても、普通のクリンチャータイヤと違いなかなかビードが上がらないこともしばしば。そんな時は勢いよく、尚且つ高圧に空気を入れなければなりませんが、出先ではなかなか困難な作業となります。
たかがパンクのために手が汚れたり多くの時間を費やしたりするのはなんだかちょっぴりイヤですよね?
当店で販売しているリーズナブルな使い捨てグローブをチューブと一緒にサドルバックにしまっておけばいざというときに手が汚れることは避けられますが、チューブレスレディタイヤとバルブを外してチューブを入れる…という作業は出来ることなら出先ではやりたくない…という方も多いのではないでしょうか。
そこでオススメしたいのがコチラ!!
Stan’s No Tubesの「DART TOOL(ダートツール)」
先日も「チューブレスレディタイヤをシーラント液でチューブレス化する方法とチューブレスのメリット」でご紹介したチューブレスレディのパイオニア、Stan’s No Tubes(スタンズノーチューブズ)から新たに発売されたチューブレスレディタイヤ用パンクリペアキット「DART TOOL(ダートツール)」。2020年03月現在の価格で税抜3,000円です。

ダートツールのパッケージと中身。DARTチップは2個付属

先端が尖っているため透明のカバーも付属していて安心

ツールのお尻部分はバルブコアツールになっている
このリペアキットはシーラント液では塞ぐことが出来なかった大きめのパンク穴をタイヤを外さずに修理出来る優れモノです。初回ロットはあっという間に完売してしまったほどの人気っぷりです。ロードも、グラベルも、マウンテンも使えます。

DARTチップのみの販売もあり
DARTチップの5個入りリフィルキットも同時に発売されました。2020年03月現在の価格で税抜2,500円です。
スタンズダートツールのここが凄い!
DART(Dual Action Repair for Tubeless)TOOL はチューブレスタイヤのパンクを、従来のあらゆる修理ツールより早く、簡単に修理することが可能です。
従来の差込型のチューブレス用パンク修理キットは、細長いゴムチップをパンク穴に差し込むだけですが、ダートツールのシールチップは、スタンズの「NO TUBES タイヤシーラント」と化学反応を起こしタイヤを確実に修復してくれるんだそう。しかもその技術で特許出願中とのこと。
特殊な加工が施されたマイクロファイバー製のチップ(しなやかな布のようなモノ)が最大の特徴で、レーザーカットされたチップ形状は様々なパンク穴の形状に対応、表面積を最大化してシーリング性能を高めています。

DARTチップのアップ画像
返しが付いた小さなピンにチップが付いているためパンク穴にしっかりと固定され、かつ、化学反応を起こしシーラント剤と瞬時に結合するため、従来の修理キットのように抜け落ちることはないとのこと。
柔軟性に富んだシールチップは挿入後のトリミング(カット)も特に不要、ロードタイヤでもシールチップの存在を感じることなく、自然に滑らかに走る事ができます。とてもソフトな素材です。
と、とにかくセールポイントばかりのDartツールなんですが、いったいどれだけの穴を塞ぐことができるのか…その威力をこの目で確かめずにはいられません。
と言うことで…
大きな穴をあけてダートツールを試してみた!
Stan’s純正のシーラントではなくBontrager製のシーラントが入っているタイヤで実験を行ってみました。私物がそれしかなかったもので(笑
ご注意:メーカーの説明では「スタンズ純正のノーチューブタイヤシーラントと併せてご使用ください」となっています。また、ダートチップの性能を充分に発揮させるため、補修後のタイヤにはシーラント液を適正量補充することをお忘れのないようにお願いします。
太いドライバーをタイヤに刺してみた
直径およそ5.5mmもあるプラスドライバーを突き刺して実験してみました。

太さ5.5mmのプラスドライバーをチューブレスレディタイヤに刺してみた
ライド中にドライバーが突き刺さることはまずありませんが、尖った岩でカットしてしまったり、枯れ枝や釘などが刺さったりして大きな穴があいてしまうことは実際にあります。
このサイズの穴はシーラントだけのチカラではムリ…
シーラント液があいた穴からブチブチプチプチと溢れ出ています。
穴を下に向けてしばらく放置してから空気を入れてみたところ、途中まではなんとかシーラントだけで塞がってはいました。
が、突然…

よーく見ると下に向かって霧状にシーラントが吹き出ています
ブシューーーーーーーーーッ!!
と、結局は圧に耐えられず霧状にシーラントが吹き出てしまいました。
エア漏れがひと段落した後に穴周辺に一度シーラントを集め時間をかけて乾燥をうながせば塞いでくれたかもしれませんが、今回の実験ではシーラントだけで塞ぐのは無理だったようです。
吹き出たシーラントが飛び散った床や作業台周りを先に綺麗に掃除して仕切り直しです(笑
ここでDartツールの登場です!
ダートツールを先ほどドライバーを刺した穴に突き刺します。
結構なチカラで差し込むとふとした瞬間にズボッと刺さります。
ズボッと刺さった先端の白いパーツは返しがついているので、返しがタイヤにしっかりと刺さるまでダートツールを差し込みます。
奥まで差し込んだらツールを抜きます。DARTチップがタイヤに残ります。
Dartチップはこんな感じに残ります!

DARTチップを差し込んだあとの状態
ツールを抜くと返しがついているためマイクロファイバーチップがしっかりとタイヤに残ります。
タイヤ内のシーラント液がチップ周辺に流れて溜まるように塞いだ穴を低くしてちょっと待ちましょう。
空気をいれてみたところ穴は塞がった様子
数分後にライド時の適正圧まで空気を入れてみましたが、漏れる様子はありませんでした。
試しにチップを引っ張ったりしてみました。最初は少しプチプチとシーラントが出てきたこともありましたが、数分後にも数時間後にも同じように引っ張っても抜けている様子は全くありません。

65psi入れてもエア漏れしている様子はない
このタイヤの最大気圧65psi(およそ4.5気圧)まで試しに入れてみましたが、Bontragerシーラントでも全く問題なさそうです。
※スタンズはMTBのチューブレスレディタイヤのMAXは45PSIまでと指定しています。
ホントあっという間に作業完了!
いかがでしたか?
タイヤを外したり嵌めたりしなくても簡単に穴を塞ぐことができちゃいました?☺️?
ちなみに、外にはみ出たチップはとてもソフトなのでそのまま走行しても特に影響はありませんのでカットしなくて大丈夫です。走行中に切れていき次第にはみ出た分はなくなるそうです。
Dartツールは、Stan’S純正シーラントとの使用を指定されていて、尚且つ5mm程度の穴を塞ぐことを想定して作られているそうです。実際DARTチップ自体そこそこの太さがありますので、逆に細い穴にはなかなか差し込めません(小さめの穴ならシーラントだけで塞がります)。さらに大きい穴の場合はDARTチップを2つ差し込むことで塞ぐことも出来るのだそうですが、その場合はやはり純正シーラントを使っている方が確実でしょう。
翌日にタイヤを外して確認してみたところ…
翌日になってもエア漏れはナシ!! 完璧です!!
ただ、やはり純正シーラントを使っていないため内側がどうなっているのか気になってしまい結局タイヤを外して確認してみました。
DARTチップにシーラントがまとわりついてシールとしては効いてはいるものの、コチラの動画(輸入元ミズタニ自転車さんのYouTube動画)のようなベニョベニョのゴム状にはなっていませんでした。今回のサイズの穴は塞がったものの、やはりStan’s純正シーラントでないと最高の効果は発揮されないのでしょう。
こうなってくると色々なシーラントで試してみたくなります(笑
色々なメーカーのシーラントとDARTツールの組み合わせを比較してみた
…ということで次のページでは、ミズタニ自転車さんの動画のように、DARTツールに様々なメーカーのシーラントをかけてグニョグニョと揉んでみた…という実験結果をご紹介します。あくまでも個人の感想ですが、なかなか面白い違いが現れたのでぜひご覧ください。
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